2026/04/27 19:39
いつも和歌山じむ屋をご利用いただきありがとうございます。
今回は、私たちが販売している梅干しの原料「南高梅(なんこううめ)」について、その歴史や特徴をご紹介します。

■ 和歌山県は梅の生産量 60年連続日本一
農林水産省の統計によると、和歌山県の梅の収穫量は全国の約58〜65%を占めており、60年以上にわたって生産量日本一を維持しています。2位の群馬県以下を大きく引き離しており、まさに「梅といえば和歌山」です。
その背景には、黒潮の影響を受けた温暖な気候、雨量の多さ、長い日照時間など、梅の栽培に最適な自然環境があります。
■ 南高梅が生まれるまで
南高梅の歴史は明治時代にさかのぼります。1902年(明治35年)、和歌山県みなべ町の高田貞楠(たかださだくす)氏が、60本の実生苗の中から特に実の大きい優良な梅を発見。これが「高田梅」として大切に育てられました。
その後、1950年(昭和25年)に「梅優良母樹調査選定委員会」が発足し、地元・南部高校の生徒たちも協力しながら37品種を対象に5年間にわたる調査が行われました。その結果、高田梅が最優良品種と認定され、調査に尽力した「南部(みなべ)高校」と「高田梅」から一文字ずつとって「南高梅」と命名されました。
1965年(昭和40年)には農林大臣により品種登録が認可され、正式なブランドとして認められています。
■ 南高梅が選ばれる理由——品種としての特徴
南高梅が梅干し用として最上級と言われる理由は、品種そのものの特性にあります。
- 果実が大粒:平均25〜35g。大きいものは40g以上になることも
- 皮が薄く、果肉が厚い:食べたときの口当たりがなめらかで、食べ応えがある
- 種が小さい:果肉の割合が高く、無駄なく食べられる
- 完熟落下で収穫:自然に枝から落ちた実をネットで受け止めて収穫するため、しっかり熟したものだけを使える
この品種特性が評価され、農林大臣が認可した品種登録制度(昭和53年廃止まで)に登録された梅はわずか3品種のみ。南高梅はその一つです。
■ みなべ・田辺の梅システム——世界農業遺産にも認定
みなべ・田辺地域では江戸時代から400年以上続く梅の栽培方法が受け継がれており、2015年には国連食糧農業機関(FAO)により「世界農業遺産」に認定されました。痩せた山の斜面を活かしながら、里山全体で梅を育てる仕組みが評価されています。
■ おわりに
和歌山じむ屋の梅干しには、こうした長い歴史と厳しい品種選定を経て生まれた南高梅を使用しています。一粒の梅干しの中に、みなべの土地と人々の営みが詰まっています。ぜひ味わってみてください。
